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Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンが、最近相次いで日本国内で薬事承認され、使用できるようになりました。
これらのワクチンは、まだ定期予防接種には位置付けられていませんが、どれも大変有効なワクチンであり、当医院は積極的に取り入れ予防に役立てたいと考えています。
 
インフルエンザ菌b型VSヒブワクチン(アクトヒブ)について
ヒブとは、インフルエンザ菌b型の略称です(Haemophilis influenzae typeb、略してHib=ヒブと呼ぶ)。 インフルエンザ菌b型=Hibはインフルエンザ菌のなかで、最も病原性が強いグループとして怖れられています。(冬に流行するインフルエンザとは違うものです)
Hib(ヒブ、インフルエンザ菌b型)は、しばしば保菌者の咳、くしゃみとともに、鼻やのどから侵入、そして鼻、喉にとどまりそこで繁殖します。通常は全身に影響を与えることはありません。

ところが、時としてヒトの防衛ラインを突破し血液中に侵入し菌血症を起こし血液を介して全身に広がり、髄膜炎、肺炎、喉頭炎など深刻な病気を引き起こすことがあります。

乳幼児の細菌性髄膜炎
Hib(ヒブ)の全身感染症のうち、最も恐ろしいのは、髄膜炎です。小児(乳幼児)の細菌性髄膜炎の全国調査(入院施設を対象)では、インフルエンザ菌が43%と他の細菌を引き離し、ずばぬけて多いことが明らかになっています。
  • Hib=ヒブは新生児期以後の髄膜炎の原因菌の第1位。Hib髄膜炎の発病者は概ね全国で年間500〜600人と推定されています。
     
  • 患者の年齢は0歳の乳児が53%と最も多く、0〜1歳で70%以上を占めています。発病のピークは生後9ヶ月で、逆に5歳以上は発病はまれになります。(この年齢になるとインフルエンザ菌に対する抵抗力が作られるためのようです)
     
  • 死亡率は約5%(感染者の内20人に1人は死亡)で、20〜30%にてんかん、難聴、発育障害などの後遺症を残します。
     
  • 初期症状は発熱、嘔吐、元気が無いなど、かぜ症状と変わりなく、早期診断が困難で、しかも急速に病状は進行します。
     
  • Hib=ヒブは近年、抗生剤への耐性が急速に進んでいる傾向にあり、抗生剤での治療が困難になってきています。
     
ヒブワクチン(アクトヒブ)について
初期は風邪と見分けがつかず、しかも症状が急激に悪化し抗生剤も十分には効かない(※1:例が少なくない)。更に死亡したり後遺症が高い確立で残る恐ろしいHib髄膜炎にはワクチン(ヒブワクチン)による予防が合理的であり世界中で認められている最も有効な方法です。
このような状況下で、2007年1月26日、Hibワクチン(アクトヒブ)はようやく厚生労働省によって、製造販売が承認されました。
※1
Hibの抗生剤耐性化:2000年以降、Hib髄膜炎の治療薬に抵抗性を持つ耐性菌が増加、抗生剤による治療が困難になってきた。

ヒブワクチン(アクトヒブ)接種スケジュール
接種スケジュールは月齢で以下のように変わります。
 
2ヶ月以上7ヶ月未満の接種開始
初回免疫
3回、いずれも4〜8週間の間隔で接種。医師の判断により3週間間隔でも摂取可能。
 
追加免疫
1回、3回目の接種からおおむね1年後
 
7ヶ月以上1歳未満
初回免疫
2回、いずれも4〜8週間の間隔で接種。医師の判断により3週間間隔でも摂取可。
追加免疫
1回、初回の3回目からおおむね1年後
1歳以上
1回のみ接種で完了。

・ワクチンの接種スケジュール一覧表
     
肺炎球菌感染症VS肺炎球菌ワクチン(プレベナー)
肺炎球菌感染症には、後遺症を残したり、子どもたちの命を損ないかねない子どもの感染症の二大原因のうちのひとつの細菌です。 肺炎球菌はまわりを莢膜(きょうまく)というかたい殻におおわれた菌で、人間の免疫が攻撃しにくい構造をしています。
なかでも小さい子ども、特に赤ちゃんのうちは、まだこの細菌に対する抵抗力がありません。このため、細菌性髄膜炎など症状の重い病気をおこしたりします。 

カゼやインフルエンザにかかった後に、肺炎をおこしたり、中耳炎にかかりやすくなる場合があります。 このようなときも肺炎球菌が原因であることがほとんどであるといわれています。
小児用7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)プレベナー
肺炎球菌は90種類以上の血清型に分けられますが、小児用7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)プレベナーには、小児に重大な感染症を引き起こす7種類の肺炎球菌ワクチンが入っています。

この7種類(7価)が肺炎球菌による重症感染症(髄膜炎・敗血症・潜在性菌血症・中耳炎など)の80%を引き起こすとされています。 プレベナーは世界97カ国で使用されており、41カ国で国の定期接種プログラムに導入されています。日本では、平成21年10月16日、ワイス株式会社が日本で初めて7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)プレベナーの製造承認を取得。平成22年6月からはファイザー株式会社が販売します。
小児用7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)プレベナー 接種スケジュール
接種対象
2ヵ月以上9歳以下の乳幼児 
接種回数(接種開始年齢により回数が異なる)
  1. 2〜6ヶ月齢(標準スケジュール、合計4回接種)
     初回免疫:27日以上の間隔で3回接種
     追加免疫:12〜15ヶ月齢で1回接種
      
  2. 7〜11ヶ月齢(合計3回接種)
     初回免疫:27日以上の間隔で2回接種
     追加免疫:初回免疫から60日以上あけて12ヶ月齢後に1回接種
      
  3. 12〜23ヶ月齢(合計2回接種)
     60日以上の間隔で2回接種
     24ヶ月齢〜9歳(1回接種のみ)
・ワクチンの接種スケジュール一覧表
 
子宮頸がんVS子宮頚癌ワクチン(サーバリックス)
子宮頸がん(子宮頸癌、子宮頚癌、子宮頚がん)
子宮にできる悪性腫瘍の事を総称して子宮癌といい、婦人科系のがんのなかでは最も発生頻度の高いがんになります。
子宮は女性の生殖臓器であり骨盤の中央に位置しています。 子宮の出口付近(膣に近い部分)を子宮頚部、子宮の上部、袋の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頚部癌(シキュウケイブガン)または子宮頸癌(シキュウケイガン)、子宮体部癌(シキュウタイブガン)とよび同じ子宮がんでも区別してみます。
子宮頚癌は子宮がんのうち8割程度を占めますが、最近は子宮体がんが増加傾向にあります。
子宮頸癌は30歳代で増え始め40歳〜50歳代で最も多くなります。

子宮頸部は膣に近い部分にあるため直接観察したり、触ったりすることが可能で30歳以上の女性を対象にした集団検診が全国で行われています。そのため早期のうちに発見できるケースが大変多くなり死亡率は年々低下しています。
しかし一方で、最近は20歳代の若い女性に子宮頸癌が増えてきており、この場合進行が早く悪性度も高いため、若いうちから子宮頸がんの検診を行う地域も徐々に増えてきています。
  
子宮頚癌の症状
子宮頚がんでは早期にはほとんど自覚症状がありません。子宮頸がんが進んでくると生理以外の出血(不正出血)や生理の変化(長引く、不順になる)、性交時の出血、黄色いおりものが出るなどの症状が出てくることが多くなります。さらにがんが進行し骨盤にまで達すると腰痛が起こることがあります。
  
子宮頚癌ワクチン「サーバリックス」
子宮頚癌ワクチン「サーバリックス」は、日本初の子宮頸がん予防ワクチン。 既に世界100カ国以上で承認され使用されています。

接種対象者は10歳以上の女性であり、通常1回 0.5mLを3回(初回、1ヵ月後、6ヵ月後)上腕の三角筋部に筋肉内接種します。
・ワクチンの接種スケジュール一覧表

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